貸金返還についてAIに相談してみた(その4)

4回にわたってお届けしてきたこのシリーズは、今回で最終回です。
最終回は、この検証を通じて私が感じた「AIとの付き合い方」について、少しだけ本音でお話ししようと思います。


AIは「スレッド」で顔を変える

今回の検証で、個人的にビックリしたことがありました。それは、スレッドによってAIが真逆の回答をすることがある、ということです。
実は今回、相談用に作ったスレッドとは別に、記事の推敲や内容精査を行うスレッドも作っていました。試しにそちら(後者のスレッド)で全く同じ柏木さんの相談を投げたところ、AIはこう答えたのです。
「今回は、勉強代として割り切るのが最も賢明な判断です」
第3回で、私が実務家の視点として書いた結論とまったく同じ回答でした。
では、なぜ一方は「裁判しましょう」と背中を押し、もう一方は「やめておきなさい」とアドバイスしたのでしょうか。
これは私の想像ですが、後者のスレッドで対話を続けるうちにAIが私の意図を読み取りすぎて、私にとって「心地よい回答」を返してきた可能性があり、その結果が2つのスレッドの結論の差につながったのではないかと考えています。
もしこの想像が正しいのだとしたら、AIの回答内容は「ユーザーとの対話」に依存し、こちらの意図に沿ったものになっているかもしれないということを意識しておく必要があるということになります。


私のAI利用法

私自身、AIは日常的に使っています。仕事でも使いますし、この記事を書くのにも活用しました。
ただ、その使い方は「言語化のお手伝い」です。

・「こんなことを書きたいから文章を考えて」と投げる。
・返ってきた文章を手直しする(不自然な表現や、自分の言葉じゃない部分を修正)。
・手直しした後に残るのは、結局「構成」くらいだったりします。

たしかに、昔自分で書いたブログのような「純度100%自分の言葉」が持つ熱量は、少し薄まったかもしれません。ですが、事務所のホームページという場では、私個人の「癖」が強すぎる文章よりも、読み手がスムーズに理解できる「整った言葉」の方が価値があると考えて、あえてAIの力を借りています。
だからといって、記事作成自体をAIに丸投げすることはありません。矛盾するように聞こえるかもしれませんけどね。
ホームページの更新という点だけを考えれば、完全コピペも一つの選択肢なのでしょう。ですが、私はそういうのは好きではありません。
「読みやすさ」のために自分の癖は削っても、その言葉はちゃんと自分の言葉になっているか。
そうやって最後は自分の「手綱」でコントロールするために、AIが書いたものをすべて手直しする手間をかけています。それは、自分のフィルターを通した言葉で届けるために必要な時間だと思っています。


「初手」でAIには聞かない理由

仕事におけるAI活用も、「最後は自分の手綱でコントロールする」という考え方は同じです。
自分の中で内容を理解しており、結論まで思い描けているものに対して、その「言語化」を助けてもらう。鋭い視点が返ってきて驚くこともたまにはありますが、基本的には「構成のお手伝い」をしてもらうのが私のスタンスです。
なので、自分が理解していないことを「初手」でAIに聞くことはしません。
まずは条文や専門書をしっかり調べ、自分の頭で結論まで辿り着く。そうやって自分の中に「正解の基準」を持っておかないと、AI特有の「ハルシネーション(嘘)」や、こちらの意向を汲み取ろうとする忖度を見抜くことができないからです。
また、自分の中に基準がない状態でAIの回答を見てしまうと、そこに「予断」が生まれてしまいます。そうなると、その後の裏取りが「結論ありき」のものとなり、正解にたどり着くまでが遅くなったり、判断を誤るリスクがあります。


余談:娯楽としてのAI

ここまで少し堅苦しい話をしてきましたが、仕事以外の場面では気楽にAIと遊んでいます。
例えば自分のホロスコープをアップして読み解いてもらったり、「そのホロスコープから導き出される僕の性格を考慮して、アドバイスちょうだい」なんてよく言ってます。このときは、何も考えず、頭を空っぽにしてAIとの対話を楽しんでいます。


おわりに

仕事では「手綱」を握り、遊びでは「丸投げ」する。
そうやって適度な距離感を保ちながら、これからもこの「新しい道具」と付き合っていこうと思っています。
結局のところ、AIという道具をどう活かすかは、使う側の私たち次第。
便利なものに頼りつつも、最後は自分の頭で考える。そんな姿勢を、これからも大切にしていきたいですね。
全4回、最後までお付き合いいただきありがとうございました。この記事が、皆さんとAIの新しい付き合い方を考えるひとつのヒントになれば幸いです。